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2011年6月 7日 (火)

世界の終わり方その1 《世界の終わりに向けてその1》

世界の終わり方その1 《オリジナル》の続き

世界の終わり方その1 第6話

研究室の扉が開いた。

静かに入ってきた大学の警備員が驚いたような目つきで僕たちを見つめていた。

「先生、申し訳ありませんがこの建物はもうすぐ閉鎖の時間ですのでお帰り願えませんでしょうか」

外が暗くなっているのには気がついていたのだがもうそんな時間になっていたのか。

「水原君、とりあえず出よう」

警備員の男が不審そうな声で言った。

「先ほどからテレビでアメリカに何か変わったことが起きていると言ってますがご存じですか」

「いや、この部屋にはテレビはないし、何も知らないが何かあったのか」

「そうですか、僕もよくわからないんですがニューヨークが消えたといってるみたいです」

警備員の男は早く巡回を終えてテレビのある詰め所に戻りたくて仕方ないみたいだった。

「わかった、僕たちは引き上げるから君も仕事を続けたまえ」

男は急いで部屋を出ていった。

「水原君、とりあえずここを出よう」

「先生、どうするんですか」

「いやまだ何も考えてはいない、歩きながら考えることにしよう」

二人は地下鉄の駅まで歩きながら会話を続けた。

「連中は今でも僕たちのこと監視しているに違いない。君はどうしたい」

「先生、ここまでわかったからには私は一人でいるわけにはいきませんわ」

「そうか、ではとりあえず僕がついていくから必要なものを取りに君の部屋へ行こう」

「先生!」

「逃避行をするのにいるものはないんですか」

僕は思わず彼女に笑顔を向けた。

「そうだな、僕にとってもこれが女性と一緒の初めての逃亡ということになるんだがたぶん大丈夫だろう」

「今まででも逃げるときには身一つで何も持ち出したことはないから」

地下鉄で二駅を乗って彼女のアパートに着いた。

「いいかい、申し訳ないが戸は開けておいてくれ、それに携帯は持ってこないでくれ」

「意味はわかるだろう」

「先生よくわかってますよ」

彼女はすぐに小さなバッグを一つもって出てきた。

「おいおい、本当にそれ一つで大丈夫なのか」

「あら、先生、私は旅行に行く訳じゃないんでしょう。先生と同じで大丈夫だわ」

「困った奴だな君は」

二人は近くの公園に向かって歩いた。

かなり遅い時間になっていたが公園にはまだ人影があった。

「いいかい、少し気分が悪くなるかもしれないよ」

「大丈夫です」

一瞬周りが暗くなり、すぐに元へ戻ったような気がした

相変わらず周りは薄暗いが人影は見えない。

公園の向こうには灯りがみえない。

「確かに変だな」

「先生、何がですか」

「ここは確かにばかでかい公園だけど800万人から住んでいるはずの大都市なんだよ」

「もし全ての人が一斉にいなくなったとしても街の灯りがなく完全な暗闇というのは変だ。そのうえここだけ街路灯がついているようだ。」

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